おのざと行政書士事務所
小野里 孝史 (おのざと たかし)
行政書士として17年目。建設業許可申請を専門としています。
事務所概要 プロフィール 報酬代(料金)について
一般建設業と特定建設業の違いは?「一般」と「特定」の違いを解説
建設業許可は、「一般建設業」と「特定建設業」に区分されています。
「軽微な建設工事」以外の建設工事を請け負うには、その工事が公共工事か民間工事かを問わず必ず建設業許可を受けなければなりません。
この区分は、発注者(施主)から直接請け負う工事1件につき、4,500万円(建築工事業の場合は 7,000万円)以上となる下請契約を締結するか否かで区分されています。
ワンポイントアドバイス
令和5年1月1日施行の建設業法施行令の一部改正までは、発注者(施主)から直接請け負う工事1件につき、4,000万円(建築工事業の場合は 6,000万円)以上となる下請契約を締結するか否かで区分されていました。
このページでは、
・「一般建設業」と「特定建設業」でどのような違いがあるのか?
・「特定建設業」の許可要件(専任技術者の条件・財産的要件)とは?
など、これから建設業許可を新規で取得する方にとって、「一般」と「特定」の違いについて知っておくべきことに重点をおき解説いたします。
建設業許可を保有されている方で『今回の工事では特定が必要か?一般のままでも大丈夫なのだろうか?』という、ご自身で判断しづらい状況の場合は、
- 管轄の行政庁(各都道府県や各地方整備局の建設業課)
- 許可取得時や更新時、毎年の建設業決算届にご依頼されている行政書士さん
このどちらかに、まずはご相談・お問い合わせしてみることをお薦めいたします。
まず、「一般建設業」と「特定建設業」では、どのような違いがあるのでしょうか?
一般建設業について
建設工事の発注者から直接工事を請け負う元請けとして営業する場合で、発注者から請け負った一件の工事の全部又は一部を下請けに出す際の下請代金が4,500万円(建築一式工事の場合は 7,000万円)未満の場合や下請けとしてだけ営業する場合は、一般建設業許可が必要です。
特定建設業について
建設工事の発注者から直接工事を請け負う元請けとして営業する場合で、発注者から請け負った一件の工事の全部又は一部を下請けに出す際の下請代金が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の場合は、特定建設業許可が必要です。
- 契約書等において、事前に発注者(施主)の承諾を得た場合以外は、工事の全部を下請に出すことはできません(法第22条)。
また、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律では、公共工事における一括下請が禁止されておりますので、ご注意ください。
なお、一括下請の禁止は二次以降の下請にも同様に適用されます。 - 元請負人が 4,000 万円(建築一式工事は 6,000 万円)以上の工事を下請施工させようとする時の4,000 万円(建築一式工事は 6,000 万円)には、元請負人が提供する資材の価格は含みません。
- 発注者から直接請け負った1件の工事が規模の大きな工事であっても、その大半を自社で直接施工する場合や、下請契約の総額が4,500万円未満であれば、一般建設業許可で大丈夫です。
- この下請代金の制限は、発注者(施主)から直接請け負う建設工事(元請建設業者)に対するもので、下請負人として工事を施工する場合や下請けで受けた建設工事をさらに下請け(孫請け)に出す場合には、金額の制限はありません。
「一般建設業」と「特定建設業」の違いに関連するよくある質問
- Q当社は東京都知事許可・一般建設業を保有しておりますが、今回当社が一次下請けとして受注した工事(とび・土工工事)の一部を、二次下請けに出す金額が4,500万円(税込み)以上になってしまいます。この場合、当社は特定建設業を取得しなければならないのでしょうか?
- Aこの場合は、必要ありません。あくまで元請として受注した工事を一次下請けに出す場合の金額の制限になります。
- Q当社は東京都知事許可・一般建設業の建築工事業を保有しております。今回当社が元請として受注した工事(建築一式工事)ですが、2社の下請業者を使う予定で下請に出す金額の総額は8,000万円になります。下請1社あたりの金額を4,500万円にすれば特定は必要ないでしょうか?
- Aこの場合は、特定建設業が必要になります。A社B社の2社に分けても、下請に出した合計金額が7,000万円以上(建築一式工事の場合)になれば、特定建設業の許可が必要です。
※建築一式工事以外は4,500万円以上。 - Q当社は東京都知事許可・一般建設業の電気通信工事業を保有しております。今度当社が元請として受注できそうな工事の金額が5,000万円(税込み)以上になる見込みです。工事は全て自社で施工する予定ですが、特定建設業を取得しなければならないのでしょうか?
- A必要ありません。自社で施工するのであれば一般建設業のままで大丈夫です。
- Q当社は東京都知事許可・一般建設業の電気工事業を保有しておりますが、業種追加で電気通信工事業の取得を検討しております。電気通信工事業は特定建設業許可とする事はできますか?
- Aできます。ただし、同一業種で「一般」と「特定」の両方を取得することはできません。
- Q当社は東京都知事許可・一般建設業の内装仕上げ工事業を保有しております。今回当社が元請として受注したリフォーム工事ですが、塗装工事、防水工事、電気工事を各専門の3社の下請業者に出す金額の総額が6,000万円になります。下請1社あたりの金額を4,500万円以下にすれば特定は必要ないでしょうか?
- Aこの場合は、特定建設業が必要になります。業種が違うA社・B社・C社の3社に分けても、1つの工事の下請に出す合計金額が4,500万円以上になる場合は、特定建設業の許可が必要です。
こちらのページも参考にご覧ください
建設業許可申請の新規取得をお考えの方はこちらもご確認ください。
お役立ちコラム 一覧
- 建設業法施行令の一部改正について(令和5年1月1日施行)
- 建設業許可は継承できるのか?事業承継と建設業許可について
- 建設業許可を自分で申請するには?
- 建設業許可を個人事業主(一人親方のまま)で取得するには?
- 建設業許可(知事許可・一般建設業)を東京で取得するには?
- 解体工事業の登録について
- 経営業務の管理責任者とは?
- 一般建設業と特定建設業の違いは?「一般」と「特定」の違いを解説
- 新型コロナウイルスによる建設業許可等申請手続きの建設業課の対応状況について
- 軽微工事とは?
- 電気工事業者の登録等について
- 経審(経営事項審査)のZ評点の変更について
- 国土交通大臣許可の申請窓口変更について
- 横浜市での建設業許可申請ならお任せください。
- 新外国人労働者受入制度について
- 電気通信工事施工管理技術検定について
- 平成31・32年度(2019・2020年度)東京都建設工事等競争入札参加資格審査(定期受付)について
- 経審(経営事項審査)のW評点について
- 経審(経営事項審査)のZ評点について
- 経審(経営事項審査)のY評点について
- 経審(経営事項審査)のX2評点について
- 経審(経営事項審査)のX1評点について
- 経審(経営事項審査)の審査項目について
- 経審(経営事項審査)の申請手続きについて
- 経審(経営事項審査)の制度について
- 建設産業政策2017+10について
- 外国人技能実習生の労働基準関係法令違反について
- 平成29年度「建設業法令遵守推進本部」の活動結果について
- 建設工事受注動態統計調査報告(平成29年度分)について
- 建設業許可業者数調査の結果
- 建設業働き方改革加速化プログラムとは?
- 登録基幹技能者の主任技術者要件への認定について
- 電気通信工事施工管理技士とは?
- 建設業許可の更新の準備は大丈夫ですか?
- 建築士事務所の登録について
- 経営業務の管理責任者の要件改正のお知らせです。
- 改正建設業法について
- 一括下請負(工事の丸投げ)の禁止
- 建設業法に違反すると?
- 東京都での産業廃棄物収集運搬業許可申請について
- 建設業許可取得会社の役員変更手続きについて
- 太陽光発電設置工事について
- 専任技術者とは?
- 営業所とは?
- 指定建設業とは?
- 欠格要件について
- 許可要件について
- 御社は大丈夫ですか?
- 「大臣許可」と「知事許可」の違いは?
- 建設業許可が必要な場合とは?
- 建設業者とは?
- 建設業界について
当サイトは、東京都中央区銀座の「おのざと行政書士事務所」が管理、運営を行っています。国家資格者である行政書士には、法律上、守秘義務が課せられています。どうぞご安心の上、お気軽にご相談ください。なお当サイトのすべてのページにつき、無断の転写・転載は厳にお断り致します。