建設業許可申請Q&A
おのざと行政書士私が解説しています

おのざと行政書士事務所
小野里 孝史 (おのざと たかし)
行政書士として15年目。建設業許可申請を専門としています。
事務所概要 プロフィール

業種について

建築工事業(建築一式工事)とは?

建築工事業(建築一式工事)で建設業許可を取得するために必要な要件について、

  • 経営業務の管理責任者の要件は?
  • 専任技術者(一般と特定)の要件は?
  • 実務経験で証明するには?

上記3つのことを中心に解説いたします。

INDEX
建築工事業(建築一式工事)とは?
経営業務管理責任者の要件
一般建設業で取得する場合の専任技術者の要件
特定建設業で取得する場合の専任技術者の要件
実務経験で証明するには

建築工事業(建築一式工事)とは?

原則、元請として総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事で、複数の下請業者により施工される大規模かつ複雑な工事のことを言います。

具体的には、

  • 新築及び増改築工事
  • 集合・共同住宅(マンション)建築工事

などの建築確認を必要とする工事になります。

他の業種との区別については、以下のようになっています。

※ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当します。

経営業務管理責任者の要件

法人は常勤役員のうち1人が、個人事業主の場合は本人又は支配人のうち1人が、下記の1~4のいずれかに該当しなければなりません。

1.建築工事業を営む会社で5年以上の役員経験があること。
  • 建設業許可保有会社であれば、建設業許可通知書のコピーと5年間以上の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社であれば、電機通信工事と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 複数の会社での役員期間の合算でも証明可能です。
具体例
  • 建築一式工事許可を保有するA社で取締役として3年勤務
  • 自分でB社を設立し代表取締役に就任。建築工事を2年請負う。

上記の経歴のような場合、A社3年(他社役員経験)+B社2年(自社役員経験)の合計5年として証明することができます。

証明するには、

  • A社の建設業許可通知書のコピーと3年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • B社の2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と2年分の建築工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等

が必要です。
※上記の例は東京都知事許可の場合となり、地域や取得する許可により必要書類が異なります。 ご不明点はお問い合わせください。

2.建築工事業を個人事業主として5年以上営んでいること。
  • 建築工事業と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と5年間以上の確定申告書(原本提示)等で証明します。
3.建築工事業以外の建設業を営む会社で6年以上の役員経験があること。
  • 建設業許可保有会社であれば、建設業許可通知書のコピーと6年間以上の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社であれば、工事請負契契約書、注文書、請求書等と役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 複数の会社(複数業種での)での役員期間の合算でも証明可能です。
具体例
  • A社建設業許可(とび・土工工事業許可)保有会社で取締役として2年勤務
  • B社建設業許可(土木一式工事業許可)保有会社で取締役として2年勤務
  • 自分でC社を設立し代表取締役に就任。建築工事を2年請負う。

上記の経歴のような場合、A社2年(他社役員経験)+B社2年(他社役員経験)+C社2年(自社役員経験)の合計6年として証明することができます。

証明するには、

  • A社の建設業許可通知書のコピーと2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • B社の建設業許可通知書のコピーと2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • C社の2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と2年分の建築工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等

が必要です。
※上記の例は東京都知事許可の場合となり、地域や取得する許可により必要書類が異なります。 ご不明点はお問い合わせください。

4.建築工事業以外の建設業を個人事業主として6年以上営んでいること。
  • 工事請負契契約書、注文書、請求書等と6年間以上の確定申告書(原本提示)等で証明します。

一般建設業で取得する場合の専任技術者の要件

下記の1~3のいずれかに該当する人を営業所ごとに常勤で置かなければなりません。 

1.建築工事の実務経験が10年以上ある人。
  • 建設業許可保有会社での経験であれば、建設業許可通知書のコピーと厚生年金被保険者記録照会回答表等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社での経験であれば、建築工事と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と厚生年金被保険者記録照会回答表等で証明します。
具体例
  • A社建設業許可(建築一式工事業許可)保有会社で社員として5年勤務
  • 当社B社で工事主任として建築工事を5年請負ってきた

上記の経歴のような場合、A社5年(他社実務経験)+B社5年(自社実務経験)の合計10年として証明することができます。

証明するには、

  • A社の建設業許可通知書のコピーと5年間の常勤を証明する厚生年金被保険者記録照会回答票等
  • B社の5年分の建築工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等と健康保険被保険者証の写し等

が必要です。
※上記の例は東京都知事許可の場合となり、地域や取得する許可により必要書類が異なります。 ご不明点はお問い合わせください。

2.指定学科(建築学、都市工学)卒業+建築工事の実務経験のある人。
  • 中等教育学校、高等学校、専修学校の場合は5年以上、高等専門学校及び大学の場合は3年以上の実務経験のある人。
  • 建設業許可保有会社での経験であれば、卒業証明書+建設業許可通知書のコピーと厚生年金被保険者記録照会回答表等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社での経験であれば、卒業証明書+建築工事と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と厚生年金被保険者記録照会回答表等で証明します。
具体例
  • 従業員で大学の建築科を卒業した者がおり、工事主任として建築工事を3年請負ってきた

上記の経歴のような場合、自社実務経験3年として証明することができます。

証明するには、

  • 大学の卒業証明書と3年分の建築工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等と健康保険被保険者証の写し

が必要です。
※上記の例は東京都知事許可の場合となり、地域や取得する許可により必要書類が異なります。 ご不明点はお問い合わせください。

3.下記の国家資格等を有する人。

特定建設業で取得する場合の専任技術者の要件

下記の1~2のいずれかに該当する人を営業所ごとに常勤で必要です。

1.下記の国家資格等を有する人。
2.国土交通大臣が、1に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた人。
これは、以前に実施されていた特別認定講習及び考査に合格した人(下記参照)が該当しますが、現在は実施されておりませんので、上記の1もしくは2で要件を満たす必要があります。
  • 大臣特別認定者:建設省告示第128号(平成元年1月30日)の対象者
  • 指定建設業7業種(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)に関して、過去に特別認定講習を受け、当該講習の効果評定に合格した者若しくは国土交通大臣が定める考査に合格した人

実務経験で証明するには

実務経験の証明に必要な工事資料は、申請する行政機関によって使用できる種類や用意する件数が異なります。

ここでは当事務所で対応している、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、関東地方整備局(国土交通大臣許可)についてご説明します。

東京都の場合
工事請負契約書・工事請書・注文書・請求書+入金確認資料(法人口座通帳など)のいずれかを証明する期間分(実際の工事期間の合算)
神奈川県の場合
証明する期間分の法人税確定申告書(確定申告書の事業種目欄で申請業種が記載されていることが条件)
確定申告書で証明できない場合は、工事請負契約書・工事請書・注文書・請求書+入金確認資料(法人口座通帳など)のいずれかを証明する期間分(各年1件以上)
千葉県の場合
工事請負契約書・工事請書・注文書・請求書+入金確認資料(法人口座通帳など)のいずれかを証明する期間分(各年1件以上)
埼玉県の場合
工事請負契約書・工事請書・注文書・請求書+入金確認資料(法人口座通帳など)のいずれかを証明する期間分(毎月1件以上)
関東地方整備局(国土交通大臣許可)の場合
工事請負契約書・工事請書+注文書のいずれかを証明する期間分(実際の工事期間の合算)

特に東京都と関東地方整備局(国土交通大臣許可)は、条件が厳しいので慎重に準備しなければなりません。
特に10年以上の実務経験を証明する場合、用意する件数もたくさん必要になります。

ワンポイントアドバイス

建築工事業の許可を保有していても、各専門工事(大工工事業内装仕上げ工事業など)の許可を保有していないと500万円以上(消費税込み)の専門工事を単独で請け負うことはできませんのでご注意ください。

建築工事業は、「指定建設業」として他の業種に比べて総合的な施工技術を必要とする事や社会的責任が大きい事などから、特定建設業の許可を受けようとする際の専任技術者は、一級の国家資格者、国土交通大臣が認定した方に限られます(実務経験では、特定建設業の専任技術者になれません)。

しかし、過去に施工された工事経歴や自社の役員・従業員の職歴、保有国家資格、卒業学科を1つ1つ整理していくことで、用意する資料やどのような条件を満たせば許可申請に進めるかを理解でき、建設業許可取得へ前進していけます。

まずは建設業許可の取得に向けて1歩前進できることを行動していきましょう。

当事務所では多くの会社様(サポートさせて頂きましたお客様の声)の建設業許可取得のお手伝いをしてきた実績と経験から、ご相談者それぞれの状況に応じて、最適・最短で建設業許可を取得できる方法をご提案させていただいております。

建築工事業許可についてご不明な点があったり悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。

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