建設業許可申請Q&A
おのざと行政書士私が解説しています

おのざと行政書士事務所
小野里 孝史 (おのざと たかし)
行政書士として17年目。建設業許可申請を専門としています。
事務所概要 プロフィール

業種別にわかる建設業許可申請の必要要件について

消防施設工事で建設業許可を取得するために必要な要件は?

消防施設工事で建設業許可を取得するために必要な要件について、

  • 経営業務の管理責任者の要件は?
  • 専任技術者(一般と特定)の要件は?
  • 実務経験で証明するには?

上記3つのことを中心に解説いたします。

INDEX
消防施設工事とは?
経営業務管理責任者の要件
一般建設業で取得する場合の専任技術者の要件
特定建設業で取得する場合の専任技術者の要件
実務経験で証明するには

消防施設工事とは?

建築物やプラント、道路トンネルなどの防火対象物に、火災警報設備、消火設備、避難設備、防排煙設備など消火活動に必要な設備を設置したり、又は工作物に取付ける工事のことを言います。

具体的には、

  • 屋内消火栓設置工事
  • スプリンクラー設置工事
  • 水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事
  • 屋外消火栓設置工事
  • 動力消防ポンプ設置工事
  • 火災報知設備工事
  • 漏電火災警報器設置工事
  • 非常警報設備工事
  • 金属製避難はしご(*)、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事

などが消防施設工事の工事に該当します。

(*)「金属製避難はしご」とは、火災時等にのみ使用する組立式のはしごであり、ビルの外壁に固定された避難階段等はこれに該当しません。したがって、このような固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当します。

軽微な建設工事」以外の消防施設工事を請け負うには、その工事が公共工事か民間工事かを問わず必ず建設業許可(消防施設工事業許可)を取得しなければなりません。

消防施設工事は、火災等から人命や建築物を守ることを使命とする非常に大切な工事です。

経営業務管理責任者の要件

法人は常勤役員(代表取締役、取締役。建設業許可において監査役は役員に該当しません)のうち1人が、個人事業主の場合は本人又は支配人のうち1人が、下記の1~4のいずれかに該当しなければなりません。

1.消防施設工事業を営む会社で5年以上の役員経験があること。
  • 建設業許可保有会社であれば、建設業許可通知書のコピーと5年間以上の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社であれば、消防施設工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等と役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 複数の会社での役員期間の合算でも証明可能です。
具体例
  • 消防施設工事業許可を保有するA社で取締役として3年勤務
  • 自分でB社を設立し代表取締役に就任。消防施設工事を2年請負う。

上記の経歴のような場合、A社3年(他社役員経験)+B社2年(自社役員経験)の合計5年として証明することができます。

証明するには、

  • A社の建設業許可通知書のコピーと3年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • B社の2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と2年分の消防施設工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等

が必要です。

2.消防施設工事業を個人事業主として5年以上営んでいること。
  • 消防施設工事と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と5年間以上の確定申告書(原本提示)等で証明します。
具体例
  • 個人事業主として消防施設工事を5年請負ってきた

上記の経歴のような場合、個人事業主5年のみで証明することができます。

証明するには、

  • 5年分の確定申告書の写し(原本提示)と5年分の消防施設工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等

が必要です。

3.消防施設工事業以外の建設業を営む会社で5年以上の役員経験があること。
  • 建設業許可保有会社であれば、建設業許可通知書のコピーと5年間以上の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社であれば、工事請負契契約書、注文書、請求書等と役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 複数の会社(複数業種での)での役員期間の合算でも証明可能です。
具体例
  • A社建設業許可(建築一式工事業許可)保有会社で取締役として2年勤務
  • B社建設業許可(機械器具設置工事業許可)保有会社で取締役として2年勤務
  • 自分でC社を設立し代表取締役に就任。消防施設工事を2年請負う。

上記の経歴のような場合、A社2年(他社役員経験)+B社2年(他社役員経験)+C社2年(自社役員経験)の合計5年として証明することができます。

証明するには、

  • A社の建設業許可通知書のコピーと2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • B社の建設業許可通知書のコピーと2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • C社の2年間の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と2年分の消防施設工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等

が必要です。

4.消防施設工事業以外の建設業を個人事業主として5年以上営んでいること。
  • 工事請負契契約書、注文書、請求書等と5年間以上の確定申告書(原本提示)等で証明します。
具体例
  • 個人事業主として防水工事を5年以上請負ってきた

上記の経歴のような場合、個人事業主5年のみで証明することができます。

証明するには、

  • 5年分の確定申告書の写し(原本提示)と5年分の防水工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等

が必要です。

一般建設業で取得する場合の専任技術者の要件

下記の1のいずれかに該当する人を営業所ごとに常勤で置かなければなりません。 

1.下記のいずれかの国家資格を有する人。
消防法の規定により、無資格者の実務経験は認められないので、消防施設工事業の専任技術者になれるのは資格者のみとなります。

特定建設業で取得する場合の専任技術者の要件

下記の1~2のいずれかに該当する人を営業所ごとに常勤で置かなければなりません。

1.一般建設業の要件1のいずれかに該当する人で、更に元請として4,500万円以上(消費税込)の工事について2年以上指導監督的な実務経験を有する人。
  • 工事請負契契約書、注文書等で証明します。
具体例
  • A社建設業許可(消防施設業許可)保有会社で社員として20年勤務し、そのうち元請として4500万円以上(消費税込)の工事について、5年以上工事課長として指導監督的な実務経験を有する者を当社で従業員として雇用した

上記の経歴のような場合、A社5年(他社実務経験)として証明することができます。

証明するには、

  • A社の建設業許可通知書のコピーと5年間の常勤を証明する厚生年金被保険者記録照会回答票等と実務経験該当工事の契約書の写し(原本提示)及び施工体系図

が必要です。

2.国土交通大臣が、1に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた人。
これは、以前に実施されていた特別認定講習及び考査に合格した人(下記参照)が該当しますが、現在は実施されておりませんので、上記の1もしくは2で要件を満たす必要があります。
  • 大臣特別認定者:建設省告示第128号(平成元年1月30日)の対象者
  • 指定建設業7業種(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)に関して、過去に特別認定講習を受け、当該講習の効果評定に合格した者若しくは国土交通大臣が定める考査に合格した人

実務経験で証明するには

実務経験の証明に必要な工事資料は、申請する行政機関によって使用できる種類や用意する件数が異なります。

ここでは当事務所で対応している、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、関東地方整備局(国土交通大臣許可)についてご説明します。

東京都の場合
指導監督的実務経験証明書に記載した全ての工事の工事請負契約書の写し(原本提示)
神奈川県の場合
指導監督的実務経験証明書に記載した全ての工事の工事請負契約書、又は注文書の写し(原本提示)
千葉県の場合
指導監督的実務経験証明書に記載した全ての工事の工事請負契約書の写し(原本提示)
埼玉県の場合
指導監督的実務経験証明書に記載した全ての工事の工事請負契約書の写し(原本提示)
関東地方整備局(国土交通大臣許可)の場合
指導監督的実務経験証明書に記載した全ての工事の工事請負契約書又は工事請書+注文書の写し(原本提示)

ワンポイントアドバイス

消防施設工事業許可(一般建設業許可)を申請する場合の専任技術者は、他の業種と違って無資格者の実務経験は認められてなく、消防法の甲種消防設備士か乙種消防設備士の資格保有者がいないと申請ができませんのでご注意ください。
※消防法によって、甲種消防設備士か乙種消防設備士の資格保有者しか消防設備工事ができません。

消防施設工事業許可(特定建設業許可)を申請する場合の専任技術者は、甲種消防設備士、乙種消防設備士の資格だけではなることができず、2年間以上の指導監督的実務経験もある人でないとなれないという非常に厳しい条件となっております。

しかし、過去に施工された工事経歴や自社の役員・従業員の職歴、保有国家資格、卒業学科を1つ1つ整理していくことで、用意する資料やどのような条件を満たせば許可申請に進めるかを理解でき、建設業許可取得へ前進していけます。

まずは建設業許可の取得に向けて1歩前進できることを行動していきましょう。

当事務所では多くの会社様(サポートさせて頂きましたお客様の声)の建設業許可取得のお手伝いをしてきた実績と経験から、ご相談者それぞれの状況に応じて、最適・最短で建設業許可を取得できる方法をご提案させていただいております。

消防施設工事業許可についてご不明な点があったり悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。

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